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60歳から受け取れる年金とは?
年金のしくみは、とても複雑でわかりにくくなっていますが、現在、60歳から受け取れる年金もあるので、忘れずに申請するようにしましょう。
60歳から受け取れる年金は、「特別支給の老齢厚生年金」というもので、年金支給開始年齢引き上げの暫定措置として受給できるようになっているものです。
特別支給の老齢厚生年金は、生年月日によってそれぞれの支給開始年齢が異なります。
特別支給の老齢厚生年金の中身
以前は年金加入者全員が60歳から老齢厚生年金を受給できましたが、国民の平均寿命が伸びたことと、高齢者の年金を支える現役世代の負担が重くなり過ぎたことから、平成12年に年金制度が見直され、老齢厚生年金の受給開始年齢が老齢基礎年金と同じ65歳に引き上げられました。
しかし、60歳以上の雇用環境が十分に整っていないことも考慮され、当分の間は65歳の満額受給になるまで「特別支給の老齢厚生年金」を支給し、その受給開始年齢を3年ごとに1歳ずつ段階的に引き上げることになったのです。
この特別支給の老齢厚生年金は、「報酬比例部分」「定額部分」「加給年金額」の3つの部分からなっています。
- 定額部分・・・賃金に関係なく厚生年金の加入期間に応じて決まる部分
- 報酬比例部分・・・加入期間と加入期間中の報酬に応じて算出される部分
- 加給年金額・・・原則として配偶者や18歳未満の子がある場合に支給される部分
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定額部分の支給開始年齢
「定額部分」の受給開始年齢の引き上げは、男性の場合は平成13年度から平成25年度にかけて、女性の場合は平成18年度から平成30年度にかけて行われています。
男性の場合は、誕生日が昭和16年4月1日までは、60歳から支給され、それ以後は段階的に支給開始が遅くなります。女性の場合は、誕生日が昭和21年4月1日までは、60歳から支給され、それ以後は段階的に支給開始が遅くなります。
個人の支給開始日や支給額については、ねんきん定期便に詳しく記載されているので、確認してみてください。
また、加給年金については、この定額部分の支給開始とあわせて支給されるようになります。
報酬比例部分の受給開始年齢
「報酬比例部分」の受給開始年齢の引上げは、男性の場合は平成25年度から平成37年度にかけて、女性の場合は平成30年度から平成42年度にかけて、段階的に行われていきます。
男性の場合は、誕生日が昭和28年4月1日までは、60歳から支給され、それ以後は段階的に支給開始が遅くなります。女性の場合は、誕生日が昭和33年4月1日までは、60歳から支給され、それ以後は段階的に支給開始が遅くなります。
個人の支給開始日や支給額については、ねんきん定期便に詳しく記載されているので、確認してみてください。
※特別支給の老齢厚生年金の詳細は、日本年金機構のこちらのページでも確認することができます。
特別支給の老齢厚生年金についての注意事項
この特別支給の老齢厚生年金の支給は、あくまでも年金支給開始年齢引き上げの暫定措置であるため、いずれは消滅してしまう運命にあります。
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しかし、高齢者の雇用環境がまだまだ厳しい状況にある以上、受給できるものはしっかりと受給して将来へとつながる生活設計を立てる必要があります。
また、特別支給の老齢厚生年金を受給する場合は、次のような点に注意する必要があります。
- 繰下げ受給の制度はない
特別支給の老齢厚生年金は、繰下げ受給の制度はないので、受給開始年齢を遅らせれば受給額が増えるというものでもありません。受給できる年齢になったら、忘れずにきちんと申請して受給しましょう。
- 失業保険との同時受給はできない
60歳から65歳の間に失業し、失業保険を受給する場合、特別支給の老齢厚生年金は支給停止になります。一般に失業保険の受給額のほうが多くなりますが、失業保険より特別支給の老齢厚生年金の受給額のほうが多い場合もあるため、どちらかを選ぶ必要があります。
- 60歳以降も厚生年金に加入する場合、年金が調整される
60歳以降も会社員として仕事を続け、引き続き厚生年金に加入する場合、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止になることがあります。この調整された年金を「在職老齢年金」と言っています。
【参考書籍】
【関連ページ】