60代から派遣社員として働く

60代の定年後もまだまだ働きたいという方や、今まで培ったスキルを活かしたいという方、年金以外にも収入を確保したいという方は、派遣社員として働くという方法もあります。

「派遣社員」はどちらかと言うと、「若い世代の働き方」というイメージがありますが、昨今では「シニア派遣」の募集が徐々に増えてきています。

人材難に直面している企業にとって、正社員よりは派遣社員のほうが雇いやすく、また特定の分野の経験者であれば即戦力にもなるため、シニア派遣が注目されるようになって来ました。

60代で再就職する場合、正社員としての求職は厳しい面がありますが、派遣社員ならぐっとハードルが低くなります。

しかし、60代から派遣社員として働く場合は、次のようなメリットとデメリットがあることも考慮しておきましょう。


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派遣社員として働く場合のメリット

  • ライフスタイルに合わせて働くことができる
    午前中だけ働きたい、週3日だけ働きたいなどの希望があれば、それに合わせた仕事を選ぶことができるので、ライフスタイルに合わせた多様な働き方ができます。
  • 時給が高め
    派遣社員の場合は、パートやアルバイトに比べ、一般に時給が高めに設定されています。特に何らかの技能や資格を持っていれば、時給1,500円から2,000円というところもめずらしくありません。
  • 派遣会社のフォローが受けられる
    派遣会社に登録すると専門の担当者が付きますが、仕事が決まった後も色々なアドバイスを受けたり、困ったことがあれば相談することができたりと、さまざまなフォローを受けることができます。
  • 定年がない
    派遣法では、同一の派遣先で3年を超えて働くことはできないことになっていますが、60歳以上の場合は働く期間の制限はなく、定年もありません。また、60歳以上であれば日雇い派遣も可能となっています。
  • 正社員になるチャンスがある
    労働契約法によると、同じ職場で5年以上継続して働く場合、正社員として直接雇用の申し入れができることになっていますが、これは定年後に再雇用された派遣社員に対しても適用されます。
  • その他
    勤務日数に応じて社会保険の加入が可能になるほか、有給休暇の取得や健康診断、資格取得支援など、さまざまな福利厚生サービスを受けることができます。


派遣社員として働く場合のデメリット

  • 職種が限られる
    シニア派遣の募集が増えて来たものの、まだまだ職種が限られているのが現状です。
    体力を使う仕事や長時間労働、IT関連の仕事、その他の専門的業務などは経験者以外は断られる可能性が高くなります。
    また、直接雇用ではないため、会社にとって本当に重要な仕事は任せてもらえないという実情もあります。
  • 収入が不安定
    派遣社員の給料は殆どが時給制のため、お正月や夏季休暇、ゴールデンウィークなど、休日の多い月は手取り収入が減少してしまうという現実があります。
    また、契約期間終了後に次の派遣先がすぐに決まらない場合は、一時的に収入が途絶えてしまいます。
    このような収入の不安定さも、派遣社員として働く場合のデメリットのひとつです。
  • 突然の雇用打ち切りがある
    派遣社員は有期雇用契約により働きますが、雇用側の倒産危機や深刻な業績悪化、事務所や工場の移転、その他の状況変化により、突然契約が打ち切られるということがあります。
    また、派遣社員には定年というものはありませんが、年齢を理由に契約更新がなされないこともあります。
  • 若い世代との交流が必要になる
    60代から派遣社員として働く場合、就業先の職場では殆どが自分より若い人に仕事の手順などを教わることになります。
    ある程度、謙虚な気持ちで接しないと敬遠されてしまい、職場の人間関係に悩まされることになります。


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派遣社員として働く場合の登録から就業までの手順

60代から派遣社員として働く場合、主に次のような手順で仕事をスタートします。

(1)派遣会社を見つける
派遣会社は、ハローワークや求人情報誌、求人チラシなどから見つけることができますが、ネット検索で探すこともできます。
シニア層の派遣社員募集を行っている大手の派遣会社には、次のようなところがありますので、参考にしてみてください。

  • はたらこねっと
  • リクナビ派遣
  • テンプスタッフ
  • マイナビ派遣
  • エン派遣
  • ヒューマンリソシア
  • パソナ(マスターズ人材サービス)
  • シニアキャリアサポートセンター
  • アヴァンティスタッフ
  • リクルートスタッフィング

(2)派遣会社に登録をする
派遣会社に電話をし、登録方法や登録に必要な書類などを確認します。その後、書類を派遣会社に持参して登録を行います。
派遣会社によっては、ホームページ上からオンライン登録ができるところもあります。その場合は、注意事項をよく確認し、登録画面に沿って必要事項を入力して送信すれば登録が完了します。

(3)登録の意思確認
派遣会社に登録をすると、専任の担当者が付きます。
担当者との面接や電話などで、派遣についての説明や登録の意思確認などが行われます。ここで希望する職種や勤務時間、勤務地などを伝えておきます。

(4)仕事の紹介
担当者より、電話やメールで仕事の紹介が行われます。希望に合う仕事がすぐに見つかる場合もあれば、しばらくかかる場合もあります。

(5)仕事の決定
条件に合う仕事が見つかったら、担当者に決定の意思を伝えます。その後、担当者と一緒に就業先に出向いて面談が行われますが、問題がなければ雇用契約を結びます。

(6)仕事のスタート
就業先での仕事がスタートします。
その後も、派遣会社の担当者からはさまざまなアドバイスやフォローを受けることができます。


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