定年退職後の健康保険・選び方
60代で定年退職を迎えた時、考慮しなければならないのが健康保険をどうするかという事です。
在職中は会社側で手続きが行われ、保険料の2分の1を負担すれば良かったのですが、定年退職後は自分で保険を選び、加入手続きや保険料の支払いをしなければなりません。
(本ページはアフィリエイト広告を利用しています。)
定年退職後の健康保険をどうするか
現代の日本では、国民すべてが何らかの公的医療保険に加入する「国民皆保険制度」が設けられているため、定年退職後も何らかの公的医療保険に加入しなければならないことになっています。
退職後、すぐに他の会社に再就職し、再就職先の健康保険に加入できればベストですが、それ以外の場合は次の3通りの方法から選ぶことになります。
病気になってから慌てなくて済むように、どの保険に加入するか決めておきましょう。
定年退職後の健康保険・3通りの方法
- (1)在職中の健康保険の任意継続
- (2)国民健康保険に加入する
- (3)家族の健康保険の被扶養者になる
在職中の健康保険の任意継続
退職時まで加入していた政府管掌健康保険や組合管掌健康保険に、引き続き2年間継続加入することができます。
これが「健康保険の任意継続」で、退職後も働いていた時とほぼ同じ保障を受けることができます。
ただし、任意継続被保険者になるには、次のような条件があります。
- 退職前日までの健康保険の被保険者期間が継続して2カ月以上あること(共済組合は1年以上)
- 資格喪失日(退職日の翌日)から20日以内に申請手続きをすること
スポンサーリンク
この健康保険の任意継続で注意しなければならないのは、保険料が全額自己負担になるということです。
退職前は、会社側が健康保険料の2分の1を負担してくれていましたが、退職後はそれがなくなるので、今までの2倍の支払額になるということです。
しかし、保険料の上限額が決められており、配偶者も引き続き扶養にできるので、国民健康保険の保険料よりは安くなるケースが多いようです。
健康保険の任意継続の加入期間は、退職から2年までと決められています。
国民健康保険に加入する
国民健康保険は、主に自営業者や失業者、退職者などが加入している健康保険制度で、地方自治体(市区町村)が運営しています。
保険料(または保険税)は、前年の所得や保有財産などをもとに算出されますが、地方自治体により計算式や料率が異なります。一般に所得割、資産割、均等割、平等割の合計額として算出され、40歳以上65歳未満の人には、これに介護保険分が加わります。
保険料は退職前の1年間の収入に基づいて計算されるため、定年退職後、すぐに国民健康保険に加入した場合は、最初の支払いはかなりの高額になることが予想されます。
このような急激な負担増を避けるために、退職直後の2年間は任意継続に加入し、その後国民健康保険に移行するという人が多いようです。
また、国民健康保険には扶養制度というものがないため、配偶者がいる場合など、それぞれが個別に負担することになります。
ただし、同じ世帯の家族が自営業などで、すでに国民健康保険に加入している場合は、世帯当たりの保険料の上限額があるため、さほど負担増にならない場合もあります。
国民健康保険の保険料(介護保険料含む)の上限は、市区町村によっても異なりますが、1世帯あたり月額約6万円程度です。
国民健康保険の加入手続きは、退職日から14日以内に市区町村役場の窓口で行います。
家族の健康保険の被扶養者になる
定年退職後の健康保険加入で、最も負担が軽く済むのが家族の健康保険の被扶養者になることです。
子供や配偶者が会社員で公的医療保険に加入している場合、被扶養者になることができますが、この場合は自分で保険料を払う必要はありません。
ただし、被扶養者になるには次のような条件があります。
- 60歳以上で年収が180万円未満であること
- 扶養者と被扶養者が生計維持関係にあること
- 健康保険の被保険者期間が継続して2カ月以上あること
- 資格喪失日(退職日の翌日)から5日以内に申請手続きをすること
申請手続きは、被保険者(扶養者)の勤務先で行ってもらいますが、加入条件については健康保険組合により異なる場合があるので、前もって被扶養者になる予定の健康保険組合に、確認しておくと安心です。
また、定年退職後、失業保険を受給する場合で、年収180万円を超えてしまうと被扶養者になれないので、その点も注意が必要です。
スポンサーリンク
【関連ページ】